技術紹介

人と自然を豊かにする技術の創造

当社は、半世紀以上にわたって培ってきた独自の技術をベースに「新素材の開発」、「地球環境との調和」を目標として、新しい技術の開発を目指しています。

私たち、地球上に生きるものにとって、大切な基盤である水、空気、大地。

それらをより良い状態で次世代に引き継ぐことが21世紀を生きる私たちに課せられた責務です。

当社の研究陣は、資源循環型社会へ向けて企業ができることは何かを考え行動しています。

たとえば、燐鉱石からりん酸質肥料、飼料用リン酸カルシウムを製造する際に副生する弗素から合成氷晶石、副産シリカからけい酸カルシウム建材など、当社では創業以来、独自の技術により、貴重な資源を余すことなく活かしきる製品開発を行ってきました。

そして現在、農業分野における資源リサイクルや生活排水から回収したリンの利用、環境浄化用材料など、地球の未来のために、環境関連分野の研究開発を意欲的に推進しています。


「リントル」によるリン回収技術

リントルとは?

肥料の三要素である窒素、リン酸、カリウムのうち、リン酸肥料の原料である燐鉱石は全量を海外からの輸入に頼っています。一方で、我が国の下水には輸入燐鉱石量の4~5割相当のリンが流入していますが、そのほとんどは再利用(回収)されていません。そこで当社では、国内でリン資源を持続的、安定的に利用するため、下水等から高効率でリンを回収できるリン吸着材「リントル®」を開発しました。(写真1)

リントルの特徴

①非晶質珪酸カルシウム系の材料で、結晶性カルシウム系の材料に比べてリンとの反応速度が格段に速い。
②選択的にその表面にリンを吸着するため、排水中に含まれている有機物が回収物に混入するといった影響は少なく、リン回収後にそのままリン酸質肥料として利用できる。
③消石灰などと比較して沈降性に優れている。(図解、写真2)

このような優れた材料特性を持つリントルを活用することで、今まで未利用資源として捨てられていたリンを回収し肥料化するというプロセスを確立し、循環型社会の構築に貢献したいと考えています。

現在、リントルを使った排水からのリン回収技術の実用化に向けて、太平洋セメント株式会社と共同研究を行っています。

「リントル®」は小野田化学工業株式会社の登録商標です。


写真1 リントルの外観 (左:スラリー、右:粉末)


図解 リン回収物の沈降性の比較(上段:リントル 下段:消石灰)
写真2 リン回収物の沈降性の比較(静置時間:5分)



これまでの主な取り組み
 平成25年(2013年)02月22日
特許第5201454号「リン回収資材およびリン回収方法」、特許第5201455号「リン回収資材とその製造方法およびリン回収方法」登録
 平成27年(2015年)03月06日
特許第5703509号「排水の脱リン脱色消毒剤と処理方法および処理装置」登録
 平成28年(2016年)01月08日
特許第5864045号「リン回収材の製造方法」登録
 平成28年(2016年)05月13日
特許第5930535号「リン回収・肥料化方法」登録

今後の取り組み

 排水からのリン回収技術の実用化

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